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 慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease)は現在1400万人に達すると言われ、糖尿病(1064万人)よりも多い国民病です。腎不全に対する透析療法を行っている方も29万人に達し、さらに増加してしまっている状況です。
 高血圧や糖尿病といった疾患でも腎不全になります。また自覚症状に乏しいため、気付かないうちに腎臓の機能が低下してしまっている方も多くいらっしゃいます。低下してしまった腎臓の機能を戻すことはできないため、健診などの検査が非常に大切です。


尿検査の異常を言われたら

写真  尿検査で分かる異常は主に尿タンパク・糖・潜血になります。尿は血液が腎臓でこし出され、老廃物だけを捨てるために作られます。通常、タンパクや赤血球は体に必要なものですから、尿に捨てられないようになっています。ところがろ過装置である腎臓に何らかの疾患があると、これらタンパクや赤血球が尿にもれて出てしまいます。腎臓の疾患は症状がないことが多く、早期に発見するためには尿検査が重要です。
 尿タンパク、潜血が陽性と言われた場合は、まず再検査を行います。運動や発熱など、様々な要因で一過性に認められることがあり、再検査で陰性となる方もいらっしゃいます。また±だけでは濃い尿では陽性に、薄い尿では陰性に出やすくなってしまうため、濃度を測定して正確に評価を行います。これら検査で腎臓の疾患が疑われる場合に、詳しく検査を進めていくことになります。
 一方、尿糖は血液の糖の濃度が非常に高いともれて出てしまうため、糖尿病が疑われます。血糖は食事の前後で大きく変動するため、一回の採血で血糖が高いかは分かりません。そのため1ヶ月の血糖の平均を表すHbA1cを測定します。


クレアチニンの異常を言われたら

写真  先ほどお話したように腎臓は血液の老廃物をこし出して尿へ捨て、血液をきれいに保つ仕事をしています。そのため腎臓の機能が低下してしまうと、血液に老廃物が溜まってしまうことになります。その代表的な物質がクレアチニンになります。
 クレアチニンは筋肉で作られ尿へ捨てられる老廃物ですので、だいたい男性:1.0mg/dl以下、女性:0.8mg/dl以下が正常です(施設により多少違います)。この値以上の場合は、腎臓の機能が低下してしまっていると考えられます。


高血圧・糖尿病

写真  高血圧・糖尿病・高脂血症といった疾患も自覚症状は乏しいですが、気付かないうちに進行し内臓を障害する疾患です。これらの疾患は動脈硬化を進めるなど、血管を障害します。細い血管が集まったろ過装置である腎臓も、障害を受けやすい臓器になります。現在透析療法が必要になる腎不全の原因疾患の第1位は、腎炎といった腎疾患ではなく糖尿病です。
 当院では脈波測定、頚動脈エコー、FMDといった動脈硬化を評価する検査も積極的に取り入れています。血圧や血糖コントロールを早期に行うことによって腎臓の障害だけではなく、心筋梗塞や脳梗塞などの危険性を下げることができます。当院では腎臓の障害が出る前でも治療をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。


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